もっと早く読みたかった「ブレイクスルー ひらめきはロジックから生まれる」
いかにブレイクスルーを起こすか。
過去でも今でもあまり真剣に考えたことがなかったテーマだったので「もっと早く読みたかったな〜」と読み始めてすぐに思ったのだけど、3月に出たばかりの新刊でした。売れそう。
- 街の思考は、意識、論理、サイエンス、安全。(ロジカルな左脳思考)
- 森の思考は、無意識、直感、アート、リスク。(直感的な右脳思考)
こう整理したうえで、
- 街の思考で整理する。
- 森の思考でアイデアを見つける。
- また街の思考に戻って検証して磨く。
- こうして街と森を行ったり来たりすることでブレイクスルーが生まれる。
これがこの本の論旨なのですが、要はロジカルな考え方で物事を進めるマーケターやプランナーはいる。だけど直感的に考え判断できるクリエイターはいない。そういう企業が多いというか、一般的だと思うんですよね。自分も判断を下す立場にいたので、その難しさがよく分かります。
だから前例主義に陥ったり、確証を得るまでに時間が掛かったりで意思決定のスピードが落ちてしまうことがある。そうこうしているうちにマーケットが変わったり、競合に出し抜かれてしまうなんてことも。
ブレイクスルーする組織かそうでないかの違いは、そこにクリエイターがいるかどうか。意思決定する立場の人がクリエイター的な考えを持ち合わせジャッジすることができるかどうか。きっとそこにあるんじゃないかと、過去と現在の経験を照らし合わせながら読んで感じました。
あるいは、こんな風に考えることもできるかもしれない。
街で働くクライアントと森に暮らすクリエイターを繋ぎ、ブレイクスルーを起こすのがカヤックのディレクター
ちょっと乱暴なまとめだけど、自分の中でのクリエイター・ディレクター像が1つ明確になったので本当に読んでよかった。オススメです。
- 作者: 木村健太郎,磯部光毅
- 出版社/メーカー: 宣伝会議
- 発売日: 2013/04/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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リクルートライフスタイルのUXデザインセミナー:メモ走り書き
緊急対応でドタバタしていたので、気になったところだけ走り書き!
リクルートライフスタイルのUXデザインセミナーに参加して来ました。
今回のセミナーでは、じゃらん、ホットペッパーなどを手掛けられているリクルートライフスタイルの4名の方のお話を伺うことができました。
中でも、なぜUXの専任チームができたのか?という点に一番興味があったので、じゃらんを担当されている筒井様のお話を、走り書き程度ですが簡単にまとめました。
リクルートライフスタイルが考えるUXデザイン -筒井様
- 横断でUXをデザインできる体制がなかった。
- 組織によって人が足りないなど、人材配置の偏りが発生していた。
これらを解決するためにUI/UXチームを設立。開発のチーム体制は以下で構成。
- プロデューサー
- UI/UXチームメンバー
- 開発担当者(実装は外部の場合も)
ウォーターフォール型でPJを進め、UI/UXチームは以下の領域の工程を担当。
- コーディング
- デザイン
- UI設計
- IA設計
- UX設計
UI/UXチームの基本メンバーの基本構成。
1人で複数の役割を兼任する場合もある。
- インフォメーションアーキテクト
- ヴィジュアルデザイナー
- フロントエンジニア
以下、少し具体的な事例の話。
じゃらんでスマホで検索をし、予約はPCでするというユーザー行動について。
- 旅行プランを決めるのは1人ではない。(ターゲットユーザーの整理)
- 移動時間等の隙間時間で使用。(ユーザー観察)
- 大きな画面で確認(して予約)したい。(ユーザーアンケートで判明)
これらのことから、カスタマーは利用シーンに応じて最適なデバイスを使っているということが分かったとのこと。
そのため、じゃらんでお気に入りに登録した情報を、利用シーンに応じデバイスに関係なく利用できるように変更したとのこと。そして、これらの変化は4年前とでかなり状況が変わっているということをデータで示していただきました。
2009年から2012年のデバイス別のユーザーの割合の変化。
- PC:ガラケー=70:30(2009年)
- PC:ガラケー:スマフォ=60:10:30(2012年)
本当にざっくりですが、こんなような内容のお話でした。
あと、名前は失念してしまいましたが「データだけ見ていては見失いがちなことを、UXで解決していきたい」ということをセミナーのまとめとして話されていて、意識していないと陥りやすい罠なので気をつけないといけないな、と改めて思いました。
自分は4年ほど前に、前職でIA/UIを横断的に見る組織にいたことと、今回お聞きした話がビジネスモデル的にもかなり似通っているものだったので、特に発見というものは特にありませんでしたが、ここ最近セミナーに参加することがなかったので、久しぶりに顔を出してみました。本当は、セミナー後の懇親会で面識広げたかったのですけど、仕事が入りあえなく断念。
やべー仕事終わる気しねー\(^o^)/
— Kosei Higuchi (@higuchill) March 7, 2013
次は今まで自分があまり触れて来なかった領域のセミナーや勉強会に行ってみたいと思います!
そうそう、リクルートライフスタイルさんではUI/UXデザイナーを募集されているとのことなので、興味のある方は話を聞いてみてはいかがでしょう?!
IA100 ?ユーザーエクスペリエンスデザインのための情報アーキテクチャ設計
- 作者: 長谷川敦士
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2009/10/28
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- 作者: 坂本貴史,宮崎綾子,長谷川恭久
- 出版社/メーカー: ワークスコーポレーション
- 発売日: 2011/03/29
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ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」―5つの段階で考えるユーザー中心デザイン (Web designing books)
- 作者: Jesse James Garrett,ソシオメディア
- 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
- 発売日: 2005/02
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ディレクターが覚えておくと便利なRedmine記法まとめ
Redmineを使うようになってから1年くらい経ちますが、textile記法を未だによく忘れるので自分用にメモ。ディレクターは覚えておくと便利だと思います!
・チケットへのリンク
#124
・リポジトリのファイルへのリンク
ex.プロジェクトのリポジトリ中の /some/file というファイルへのリンク
source:some/file
・インラインイメージ
!image_url! image_url
・URLの代わりに特定の文字列を表示
"Redmine web site":http://www.redmine.org
・テキストスタイル
* *ボールド*
* +下線+
* -取り消し線-
・水平線
---
・テーブル
|ポジション|名前|利き足|
|FW|工藤|右|
|FW|田中|左|
|MF|大谷|右|
もっとたくさんtextile記法を覚えたい人はこちらのサイトがオススメです。
- 作者: 小川明彦,阪井誠
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2010/10/13
- メディア: 大型本
- 購入: 16人 クリック: 337回
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ディレクターに役立つ、近代広告の父 デビッド・オグルビーからの36のアドバイス
- あなたはこの国でもっとも注目される広告をつくっていますか。
- あなたの仕事は社内外できちんと認識されていますか。
- あたなはクライアントとなる人たちに驚くようなキャンペーンを少なくとも4本は見せられますか。
- あなたは広告にさまざまな要素を盛り込みすぎていませんか。
- セールストークを歌に乗せて伝えるこをやめましたか。
- あなたがつくる広告は見た瞬間に人の心をつかむビジュアルから始まっていますか。
- 大人向けの商品に漫画のキャラクターを使わないようにしていますか。
- 一緒に仕事を始めたスタッフ全員に少なくも6種類の「マジック・ランタン」(オグルヴィならではの秘伝書。すべてのカテゴリーにおけるコミュニケーションの知識をまとめて、このように呼んでいた)を見せていますか。
- 英語を話すことができない人たちに、すべての「マジック・ランタン」を彼らが理解できる言葉に翻訳して伝えていますか。
- すべての広告において、ブランド名を何度も繰り返していますか。
- テレビCMでセレブリティの”お墨付き”をやめましたか。
- 他のエージェンシーにいる最先端のクリエイターたちを雇うことができる日に備えて、その人たちをリストアップしていますか。
- あなたの手がけたすべてのキャンペーンは合意されたポジショニングに沿って実行されていますか。
- あなたの手がけたすべてのキャンペーンに効果・効能はありますか。また、それを検証していますか。
- すべての広告に少なくとも2回は約束ごとをスーパーで入れていますか。
- この6ヶ月の間に、3つ以上ビッグアイデアを出しましたか。
- いつも商品を広告の主人公にしていますか。
- あなたは今年、他のエージェンシーより多くのクリエイティブ賞を勝ち取りましたか。
- 問題解決、ユーモア、適切なキャラクター、日常生活のワンシーンを広告に取り込んでいますか。
- ライフスタイルを提案する広告をつくらないようにしていますか。
- 夜や週末でも喜んで働いていますか。
- あなたはニュースのあるキャンペーンをつくっていますか。
- あなたは商品が使われているところを広告で見せていますか。
- あなたの作品集には、どうしてもあなたにお願いしたくなるような、絶対的な魅力のある広告が入っていますか。
- あなたはいつも最後に商品のパッケージを見せていますか。
- 夕日やディナーテーブルでの幸せな家族のようなお決まりのビジュアルを使わないようにしていますか。サブライズのあるビジュアルを作っていますか。
- あなたが作ったグラフィック広告のビジュアルから魅力的なストーリーを感じられますか。
- レイアウトの中に何でも入れるのではなく、きちんと編集をしていますか。
- 時には視覚的な対比をうまく取り込んでいますか。
- すべてのヘッドラインにブランド名や消費者への約束を入れていますか。
- すべての素材を撮影していますか。
- コピーの文頭と文末を不揃いにするのはやめましたか。
- 1行に40文字以上のコピーはレイアウトしないようにしていますか。
- 活字が10ポイント以下、もしくは12ポイント以上になっていませんか。
- OKを出す前にいつも雑誌あるいは新聞に実際に広告を貼って確認をしていますか。
- ボディコピーをレイアウトするときにサンセリフ(ゴシック書体)を選ばないようにしていますか。
もしこれらの質問すべてに「YES」と答えることができたなら、あなたは地球上で最も素晴らしいクリエイティブ・ディレクターといえるでしょう。
David Ogilvy
1979年当時のものということで、今もそのまま全てが使えるわけではないけど自分用にメモ。広告を考えるときには気をつけておきたい。
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- デイヴィッド・オグルヴィが生きていたら、ソーシャルメディアをどう語るか?
- 作者: デイヴィッド・オグルヴィ,山内あゆ子
- 出版社/メーカー: 海と月社
- 発売日: 2006/06/15
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 137回
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- 作者: デビッド・オグルビー,松岡茂雄
- 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
- 発売日: 1985/06
- メディア: 単行本
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【トリビア】ディズニー「Paperman」は、2009カンヌサイバーゴールド「SINGS」のオマージュ
最近Facebookで話題になっていたディズニーの「Paperman」を見ました!
正確にいうと『Papermanの原案はこれなんじゃないの?』と友だちがFacebookに投稿していた2009年カンヌサイバーを獲得した「SIGNS」を先に見たのだけど、これを見ると確かにPapermanはSIGNSをオマージュにしてるようです。
もうネタにしてるブログがあるかな?と思ったのだけど、Papermanの技術に関するエントリーとかしか出て来なかったので、ちょっとトリビアネタ的に書いておきます。英語のソースは当たってませんが、YouTubeにはそれっぽいコメントが付いてます。
- とある街を舞台に、鬱屈した毎日を送るサラリーマンがオフィスの向かいのビルの女性と出会うというストーリーが同じ。
- 全編セリフ無しという演出が同じ。
- 意図的に似せているカットがいくつかあるので、スクリーンショットで比較してみました。
目の前の書類に憂鬱な視線を落とす主人公。
ふと向かいのビルの女性の存在に気付く。
視線の先にあるのは、向いのビルの中にいる女性。
ちなみに、ここから先の展開は大きく異なるので、実際に動画を見てくださいね!
監督の原作への純粋なリスペクトから生まれたのだろうなと思える点を挙げておくと、女性と出会うまでのストーリーが、ディズニーらしいアニメーションならではのストーリーに仕上げられているところ。5歳の息子がゲラゲラ笑っているのを見て、さすがだなと思いました。フォンタジーを通してより多くの年齢層に伝わるものを作るディズニーらしいアレンジだと思います。SINGSは5歳の子にはまだ理解するのが難しいですから。
ちなみに、Papermanは邦題:「紙ひこうき」としてディズニーの新作「シュガー・ラッシュ」で併映されるそうです。この作品も、クッパやザンギエフや、なんとソニック ザ ヘッジボッグまで登場するようで相当楽しみでwktkしてます。ゲームの世界版トイストーリーっといったところでしょうか。
PapermanもSIGNSもどちらも面白い作品ですが、おっさんディレクター的にはメッセージ性が強いSINGSの方が好きだな〜。
本田翼のJR SKI SKIの広告に浮かれてると痛い目にあう話
15s+30s 本田翼CM JR東日本JR SKI SKI 「SNOW」&「GARA」篇曲GREEEEN
本田翼1st-Last写真本 「ほんだらけ 本田本」 (Angel Works)
- 作者: 本田翼
- 出版社/メーカー: SDP
- 発売日: 2013/10/31
- メディア: 大型本
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スマートフォンでの実機テストを圧倒的にラクにする方法
スマートフォンで実機テストを行うことがある人はよく分かると思うのですが、何が面倒くさいって、ベーシック認証が圧倒的に面倒くさいですよね!
手元のPCでIDとPWを確認しつつ、慣れない端末でちまちまとそれを入力…思い出しただけで嫌になりそうです。
ただでさえPCよりテストする端末が多かったり、フルキーボードに比べ入力が面倒なスマートフォン。忙しいディレクター(でなくとも誰だって!)なら、少しでも時間を節約したいはず!
そこで、一撃でベーシック認証を突破する方法がこちら。
http://user:password@hogehoge.com/
userにユーザー名を、passwordにパスワード 、そして@以下にテストしたいサイトのURLを入力。
これをPCからスマートフォンにメールなどで送りブラウザで開けば、一発でベーシック認証を突破することができます。
スマートフォンのブックマークに追加しておけば、毎回ベーシック認証を入力する手間を省くことができます。
ただし、URLに認証情報が出てしまうことになりますので、間違ってもはてブなどしてはいけませんし、セキュリティには注意をはらいましょう!